アマガエルを飼い始めたら知らないうちに体の色が変わってしまっていたという経験をしたことがある人はいるのではないでしょうか。
一般的には美しいグリーンのイメージが強いアマガエルですが、実はその体色は環境によって様々に変化するのです。
ここでは、アマガエルの体色のバリエーションと色が変わる仕組みを紹介していきます。
アマガエルの色
アマガエルは、自然界では樹木の葉の上で生活をしているため、その多くは黄緑色をしています。
しかし、彼らは周りの環境に応じて体の色を変えられるので、コンクリートの上で暮らしていると灰色に、土の上で暮らしていると茶色になっていきます。
それ以外にも、白っぽい色になることも可能であり、一般的には黄緑色、灰色、茶色、白色というのがアマガエルの体色となっています。
僕たち黄緑色だけじゃないんだよ！
このように体色を変えられるのはアマガエルだけではありません。
シュレーゲルアオガエルやモリアオガエルといったアマガエルよりも少し大きい種類のカエルも、身体の色を変えることが可能です。
ただし、それらのカエルは時間を変えて少しずつ色が変わっていくのに対し、アマガエルはわずか1日で全く違う色になってしまうという点が異なります。
アマガエルが色を変えられる仕組み
どうしてアマガエルは簡単に体の色を変えられるのでしょうか？
その秘密は、彼らの皮膚の構造にあります。
アマガエルの皮膚は、表面から順番に黄色素胞、虹色素胞、黒色素胞という3つの層が重なる形で構成されています。
このうち、虹色素胞は結晶型の構造をしており、様々な光を反射することができます。
カエルが緑に見えるのは、この虹色素胞が緑色の光のみを反射しているからです。
一方、暗い場所に長時間いると、黒色素胞の中で黒の色素が広がっていきます。
それにより、黒っぽいカエルになるというわけです。
このように、アマガエルが色を変えられるのは、このように3つの素胞が大きくなったり広がったり狭まったりするからなのです。
なお、同じように体色を自由に変えられる生き物にイカがいますが、彼らの変色のメカニズムは少し異なります。
虹色素胞を持っているというのは変えると同じですが、イカの場合は、素胞の大きさを変えるのではなく、それに含まれる決勝を伸縮させて反射する色を変えることによって体色を変えていくのです。
どうやって体の色を決めているのか
アマガエルは、緑の葉っぱの上にいると、体色も黄緑色になりますが、それは自分の目で回りが緑であると認識しているからだと考えられています。
そのため、もし失明したり、目隠しをされていると、周囲の色が見えなくなるので、正しい色になることができません。
変色にかかる時間
アマガエルが体の色を変えるには、数十分程度の時間がかかります。
これは、瞬間的に色を変えられるイカやカメレオンと比べると少し長いのですが、その秘密は変色のメカニズムにあります。
すなわち、イカやカメレオンの場合は、体色の変化は神経によって制御されていますが、カエルの場合はホルモンによって制御されているのです。
ホルモンの方が反応するのに時間がかかるため、その分、変色にも時間がかかるというわけです。
まとめ
以上を読まれた方は、アマガエルがどのようにして身体の色を変えているのかが理解できたのではないでしょうか。
もっとも、現代の技術をもってしても、彼らが色を変えられる仕組みは完全には解明されていません。
ここで紹介したもの以外にも、もっとすごい秘密が隠されているかもしれませんので、今後もアマガエルの研究から目を話すことはできませんね。
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