シュレーゲルアオガエルの名前の秘密とは?人の名前に由来するって本当!?

カエル観察入門

シュレーゲルアオガエルという名前を聞くと、外国のカエルのように思われるかもしれませんが、れっきとした日本国内に生息しているカエルです。
では、なぜそのような横文字の名前になったのでしょうか。
ここでは、シュレーゲルアオガエルの名前の秘密に迫ります。

シュレーゲルアオガエルとは?

名前の秘密を見る前に、まずはシュレーゲルアオガエルがどのようなカエルなのかを紹介しておきます。

種目

シュレーゲルアオガエルは、無尾目アオガエル科アオガエル属に分類されるカエルです。
同じアオガエル属には、モリアオガエルがいますが、それと比べるとシュレーゲルアオガエルはやや小型になります。

モリアオガエルとの見分け方については、こちらの記事もご覧ください。

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大きさ

シュレーゲルアオガエルは、メスの方がオスよりも大きいのが特徴です。
オスは3~4センチとアマガエルを一回り大きくしたくらいですが、メスは4~5.5センチほどもあるため、アマガエルと見間違えることはないでしょう。

生息地

本州に加えて、四国と九州の一部に生息しています。
田んぼや森林で暮らしているので、意外と身近で目にすることもあります。
ただし、森林開発などの影響でかつてに比べると、その数は大きく減少しています。
エリアによっては非常に稀少な存在になっているので、くれぐれも乱獲するようなことは避けましょう。

産卵

シュレーゲルアオガエルは、4月から6月ごろになると、生息地の近くの水場にやってきて土手の近くで産卵します。
卵は、卵塊と呼ばれる泡状の物質に包まれており、しばらくするとそこからオタマジャクシが生まれてきます。
オタマジャクシは2ヶ月もするとカエルになり、その後は親と同じく樹上の暮らしへと移行するのです。

鳴き声

シュレーゲルアオガエルは、日本に生息しているカエルの中でも、カジカガエルと並んで非常に美しい声で鳴くことで知られています。
その鳴き声は、「コロロロ、コロロロ」とまるで楽器が鳴っているようであり、聴いていて癒されること間違いありません。

名前の由来

それでは、ここからはいよいよシュレーゲルアオガエルの名前の由来を見ていきましょう。

シュレーゲル氏のアオガエル

シュレーゲルアオガエルという名前は、「シュレーゲル氏のアオガエル」という意味です。
その名の通り、ヘルマン・シュレーゲルという人物にちなんでその名が付けられました。

ヘルマン・シュレーゲルとは?

ヘルマン・シュレーゲル氏は、ドイツの鳥類学者であり、動物学者でもある人物です。
オランダのライデン王立自然史博物館の2代目館長を務めたことから、オランダ人であると誤解されがちですが、そうではないので注意しましょう。

このシュレーゲル氏が、なぜはるか異国の地である日本のカエルにその名を残すことになったのでしょうか?
それは、江戸時代後期に日本に滞在していたシーボルトが、日本を追われた際に持ち帰ったカエルをシュレーゲル氏が見て、新種として記載したことによります。
同氏が新種認定したことで、それ以来、そのカエルはシュレーゲルアオガエルと呼ばれるようになったというわけです。
なお、シュレーゲルアオガエルを新種認定した時点で、シュレーゲル氏はまだ20代の若者でした。
その後も学者として活躍し続け、明治維新後の1884年に79歳でその生涯を閉じました。

まとめ

シュレーゲルアオガエルの名前の由来は、驚くべきことに日本から遠く離れたヨーロッパで暮らしていたシュレーゲル氏であるということが分かりました。
カエル好きの人でも意外と知らない知識ですので、ぜひこの機会に頭に入れておくと良いでしょう。

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