サマースクールも早くも3週目です。
授業にも慣れてきて少しずつ余裕が出てきたため、この頃から街をドライブしたり、ショッピングにも出かけるようになりました。
日本と違って車がないとどこにも行けないので、ちょっと出かけるだけでもいい気分転換になります。
この週のハイライトは模擬裁判。
実際に裁判の登場人物に扮して訴訟手続きを進行するのですが、初めてのことばかりでかなり苦戦しました。
第1週と第2週のダイジェストはこちらをご覧ください。
Day11
この日からサマースクールは後半戦です。
11日目は効果的なプレゼン方法について学習しました。法律家にとって大事なのはなんといっても顧客への説明や法廷でいかにして陪審員や裁判官に納得してもらえる理論を展開するかということなので、非常に重要なテーマです。
次の日にさっそく実践編としてクラスメイトの前でプレゼンすることになりました。
インプット後に必ずアウトプットさせるのがアメリカ流ですね。知識定着にはいい方法ですが、かなりハードです。
Day12
12日目は次の日のMock Trialの役割分担を決めました。
Mock Trialというのは模擬裁判のことで、この日は何と唯一の原告役に選ばれてしまいました。
求められる役割は、本人審問において原告側・被告側双方の代理人から尋問されることになるため、どういった質問が飛んでくるか予想がつかずその準備に一日中追われました。
Day13
13日目はいよいよ模擬裁判の本番です。
事件は、著作権侵害に関するもので、役割は12日目に決まった通り原告役でしかもただ一人です。
弁護人役が4名もいるので、前日は彼らと相談しつつ準備したのですが、最後は自分で事実関係を調べなければならなかったので、前日は準備で大わらわでした。
原告が実在の企業だったのでアニュアルレポートや財務諸表を検索したりとバタバタでしたが、最終的には何とか取り繕うことができたかなと思います。
原告代理人による本人審問では事前に質問内容と回答を準備できますが、被告代理人からの反対尋問では質問の予測が難しく想定外の問いがきても冷静に対応することが求められます。
ちなみに、アメリカでは裁判官に対して”Your Honor”と呼びかけます。ドラマなどでもおなじみですが、実際にこういった言葉を使ってみると、改めて身が引き締まりました。
Day14
この日の授業は特筆すべきことが特になかったので、閑話休題として日本との違いを少し紹介します。
・役所
担当者によって言うことが違います。免許試験でも、求められる必要書類が人によってばらばらだったりします。
・GPS
カーナビのことです。日本語対応版も入手可能ですが、微妙に言葉遣いがおかしかったりします。
・事故車
明らかに事故者という車が普通に公道を走っています。ハイウェイで近くにくるとドキドキです。
・クーラー
夏は暑いのですが、クーラーをガンガンにつけるので室内では長袖がないと風邪をひきそうです。
なお、日本の食材は普通に入手可能です。もちろん種類は限られますが、スーパーでも醤油やワサビが売られていたり、車で少し行くと日本食材店もあります。
Day15
この日で第3週も終了です。
15日目は、交渉スキルを学びました。特に法律についての内容ではなかったので内容は割愛しますが、何事につけても必要なスキルなので学んでおいて損はありません。
授業中で興味深かった話として、日米比較がありました。
アメリカ人は交渉スピードを重視するのに対し、日本人は人間関係を重視してスピードは後回しにするというのです。
最近は日本の会社もかなり意思決定のスピードが上がってきていますが、まだまだこういったイメージを持たれているということですね。
Day16
16日目は裁判所見学でした。先日訪問した裁判所は地方の簡易裁判所だったので雑然とした雰囲気でしたが、この日はナッシュビル市の中心にある大規模な裁判所だったので日本との共通点も多かったです。
行った時は、DUI事件の公判中。DUIというのは飲酒運転を意味するDriving Under the Influenceの略です。
弁護人が警察官の取り調べ方法が不適切であることを立証するためにDVDを再生しようとしていたのですが、なぜか機材トラブルでうまくいかず中断に、その間に裁判官が我々がロースクールの学生であることを知っていろいろと質問に答えてくれました。
その後別の法廷に移動したのですが、そこでは窃盗事件の公判中でした。
なんでもスーパーでブルーレイレコーダーを盗んで逮捕されたようです。
証人尋問が行われていたのですが、まさにドラマで見るような緊迫した雰囲気でした。
Day17
17日目は以前に受けた模擬試験の講評でした。
この日習ったのはIRACという分析方法です”Issue”、”Rule”、”Application”、”Conclusion”の頭文字から取られたもので、問題提起、規範定立、あてはめ、結論という流れです。
日本でもおなじみの方法なので特に目新しい訳ではありませんが、改めて勉強すると新鮮です。
ただし、ロースクールということでRuleは法律の条文や判例から取る必要があることはいうまでもありません。
Day18
18日目のこの日は模擬試験の2回目でした。
その後、試験の中で出てきた事案に基づく交渉を実際に行いました。
この交渉では利害関係人相互間の意見の調整がポイントだったのですが、あらかじめ割当てられた役割に沿ってそれぞれに秘密の指示が与えられており、そこまでしか譲歩することはできないルールでした。
そのため、その条件をいかに推測するかで、白熱した議論が行われました。
Day19
いよいよサマースクールも2日を残すだけとなりました。
19日目のこの日は、教授の皆さんと一緒にランチを食べる機会がありましたが、みなさんフレンドリーで南部ならではのホスピタリティを体感できました。
この日は他に特筆することがなく宿題も少ししかなかったので、夜はダウンタウンにクラスメイトと食事に出かけました。
ナッシュビルはそれほど大きな町ではありませんが、ミュージックシティという別名がある通りカントリーミュージックのメッカです。
そのため、街中のレストランではたいていバンドの生演奏が流れており、ぜいたくな時間を過ごすことができます。
Day20
長かったサマープログラムもついに終了です。
最終日は授業はなく、先生とマンツーマンのミーティングでした。
そこで、これからの英語学習のアドバイスとサマープログラムの英語力の評価をしてもらいました。
思ったよりも評価は悪くなかったのですが、文法ミスを指摘されたのは意外でした。
“a”と”the”の違いや三単現の”s”など文法レベルのミスは厳しくチェックされるので、やはり基本は大事です。この点では受験英語で鍛えられている日本人には有利なのではないでしょうか。
翌週からはロースクールの授業が始まります。
最初から宿題が出されているので、サマースクールが終わった余韻に浸ることなくその準備に追われることになります。
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