今回は、ロースクールの秋学期で履修した科目と、授業で使用したテキストを紹介していきます。ロースクールの授業は日本の大学に比べてかなりヘビーなので、現実的に履修可能な科目数はそれほど多くはありません。
Legal Research & Writing
Vanderbilt Law Schoolでは、LLMの生徒向けの必修講座が用意されています。
それが、このLegal Research & Writingという科目です。
この科目では、アメリカにおける法律調査のやり方やドキュメントの作成方法を学ぶことになります。
日本と違って、アメリカは一部の州を除いて判例法の国ですので、法律調査といっても六法を読み解くわけではありません。
過去の判例を調べて、そこからルールを導き出して結論を導き出す必要があるため、それだけでかなりの時間を要することになるのです。
Contracts
Contractsというのは契約法のことです。
日本では契約法は民法の一部として扱われていますが、アメリカではそれだけで一つの科目となります。
法務担当者として企業で働く上で、契約法の知識は欠かせないので、この科目を通じて少しでもアメリカ法における契約の考え方を身に着けたいところです。
なお、Vanderbiltでは、JD向けの契約法のクラスとは別に、LLM向けのクラスが用意されています。
JD向けの方はかなりついていくのが大変なようなので、迷わずLLM向けの方を選択しました。
Corporation and Business Entities
契約法と並んで会社法もぜひとも学んでおきたい科目だったので、かなりヘビーな内容だとは分かってはいたものの、覚悟を決めてこちらのCorporation and Business Entitiesを選択しました。
教授は米国会社法の世界ではそこそこ名の知れている方なのですが、とにかく早口で何を言っているか理解するだけでも一苦労です。
必死についていけば、それだけでリスニングスキルの向上にもなりますので、何とか取り残されないように頑張りたいところです。
Transnational Litigation
Transnational Litigationというのは聞き慣れない言葉かもしれませんが、日本語に訳すと多国間訴訟という意味になります。
日本では国際私法といった方が馴染みがあるかもしれません。
国際訴訟を手掛けるうえでは、知っておかなければならない大事な分野ですが、なにぶんこれまで疎かった分野だけに、内容がすんなり頭に入るか自信がないまま履修することにしました。
担当してくれる教授はかなりの親日家で、過去には日本の青山学院大学などで教鞭をとったこともあるような人物です。
なぜか専門用語を日本語で紹介したがる癖があるので、それを聞けば何を言っているかが何となく分かるかもしれません。
これだけ?
以上が実際に秋学期で履修した科目の全てです。
「これだけ?」と感じるかもしれませんが、各科目とも週に2コマから3コマの授業があり、毎回宿題が大量に出るので、これだけでも付いていくのはかなり大変でした。
日本語に訳せば意味が分かる内容でも、英語で説明されると何を言っているのかさっぱり分からないというケースも少なくないので、無理をしてたくさんの科目を履修しようとするのは禁物です。
ネットを調べれば、過去の留学生がどういった科目を選択しているかが分かるはずですので、そういった情報も参考にしながら、必要十分な科目数を見極めるようにすると良いでしょう。
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