数ある名門私立小学校の中でも、人気や難易度、ネームバリューなどの面で最高峰に位置しているのが慶応幼稚舎です。そこで、今回は同校を受験するにあたって、保護者が是非とも知っておきたい教育方針や受験戦略のポイントについて見ていくことにします。
慶応幼稚舎の特徴
慶応幼稚舎は、日本で最も長い歴史を有する私立小学校の一つであり、幼児教育の先駆者として高い知名度を有していります。
総合的な学習と個々の才能の伸展に重点を置いた教育プログラムが特徴となっているだけでなく、国際的な視野を持ち合わせた教育を提供し、多文化共生の精神を育むことにも力を入れています。
なお、その名の通り、私立大のトップに君臨する慶應義塾大学の付属校であり、順調にいけばエスカレーター式に大学まで進学できるという点も魅力の一つです。
教育理念と教育方針
慶応幼稚舎の教育理念は「独立自尊」です。
これは、子どもたちが自らの意見を有し、自分の力で考えて行動することを重視するものです。
教育方針としては、知育・徳育・体育の3つのバランスを大切にし、全人教育を目指しています。
それに加えて、協調性や社会性など育むための様々な教育活動もカリキュラムの中に取り入れられています。
学校生活とカリキュラム
慶応幼稚舎の学校生活は、自由な発想と創造性を重んじる同校ならではのオリジナルのカリキュラムに支えられています。
また、英語教育にも力を入れていて、早期の段階からグローバルな視点を持つことを推進しています。
それに加えて、情報科学教育も積極的に導入しており、プログラミングやロボティクスといった分野での体験学習も行われています。
試験の内容
慶応幼稚舎の試験は、運動能力、集団行動、創造性を測るものとなっており、いわゆるペーパー校のように知識を問う試験とはなっていません。
運動テストでは基本的な体力や運動神経、行動観察では集団の中での振る舞いや協調性、絵画制作では想像力と表現力が評価されることになります。
なお、ペーパー試験がないからといって、まったく対策をしなくても良いというわけではありません。
試験の中で知性やひらめきを問うような課題が出題されることが少なくないので、ペーパー問題を通じて考える習慣を身に着けておくことも重要となるのです。
難易度
慶応幼稚舎の入試は、同校の高い教育水準と卒業生の進路の良さから、非常に高い競争率となっています。
具体的には、男子は約10倍、女子は約12倍の倍率です。
女子の方が高いのは、合格者数が男子の半数程度しかいないためです。
このような高い倍率にもかかわらず、多くの家庭が子どもを慶応幼稚舎に入学させたいと考えていることから、早期からの準備が必要となります。
受験対策
受験対策としては、運動能力を高める活動や、集団での行動をスムーズに行えるようなトレーニングが推奨されています。
また、絵画制作では、子どもの創造性や表現力を伸ばすことが必要です。
それに加えて、願書の書き方や面接対策も重要な要素です。
以下でより詳しく見ていきます。
運動テスト対策
運動テストでは、基本的な運動能力を測る課題が出されます。
模倣体操やサーキット運動など、指示に従い正確に動くことが求められます。
そのため、家庭での簡単な体操や運動プログラムを取り入れることで、子どもの運動能力を高めるように普段から心掛けるようにしましょう。
行動観察テスト対策
行動観察テストでは、集団遊びや自由遊びといった課題を通じて、子どもの社会性や協調性が評価されます。
ですので、日常生活におけるグループ活動や友達との遊びを通じて、他人とのコミュニケーションを促し、ルールを守ることの大切さを教えることが重要です。
絵画制作テスト対策
絵画制作テストでは、子どもの創造性や想像力が問われます。家庭での絵画や工作の時間を設け、子どもが自由に表現できる環境を整えることが効果的です。また、制作中に質問されることもあるため、子どもが自分の作品について話せるように準備しておきましょう。
願書の書き方
慶応幼稚舎の入試では面接がないため、願書の内容が非常に重要になってきます。
願書には自由記入欄があり、「福翁自伝」を読んで感じたことを書くスペースが設けられています。
直前になって書こうとするとどのような内容にすればよいか分からず困ることになるので、前もって書籍を手に入れて読み込んでおくようにしましょう。
保護者は、子どもの個性や家庭の教育方針を願書に反映させることが求められます。
おわりに
以上で見てきたように、慶応幼稚舎は私立小学校の最高峰とされるだけに、合格の難易度は非常に高くなっています。
しかし、それに見合うだけの魅力あふれる学校ですので、機会があればぜひチャレンジしてみるとよいでしょう。
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