小学校受験をする場合に、多くの家庭では子供を専門の教室に通わせて対策することになります。
大手の教室になると年間100万円を超えるような授業料が必要になる場合も少なくありませんが、そこまでせずに合格を勝ち取ることは可能なのでしょうか?
小学校受験で問われることとは?
教室に通わせる必要があるかどうかを知るためには、まずはじめにそもそも小学校受験で何が問われるかを知っておく必要があります。
ペーパー
一部の学校を除いて多くの小学校で出題されるのが、いわゆるペーパーと呼ばれる問題です。
文字通り、紙に書かれた問題に回答する筆記問題なのですが、幼稚園児が解くだけあって、頭が柔らかくないと大人でも間違えるようなものも少なくありません。
例えば、長い読み上げ文を聞いた後で質問に答える「おはなしの記憶」などは、記憶力が弱りつつある大人では太刀打ちできなかったりします。
運動
多くの学校では、与えられた課題に従って身体を動かす運動の問題も良く出題されます。
縄跳びやボール投げといった単発の運動問題が出るケースもありますが、複数の競技を組み合わせてゴールを目指すサーキットと呼ばれるパターンが出題される場合もあります。
指示された通りに行動できるかどうかについてもチェックされるため、単に運動神経が良いというだけでは合格点に達することは容易ではありません。
絵画・工作
絵画や工作を出題する学校もあります。
絵画といっても、何でも好きに描いてよいというわけではなく、与えらえたテーマに沿った絵を描かなければなりません。
また、黙々と作業をするだけでなく、学校によっては試験中に先生が質問をしてくるので、それにきちんと応対できるかどうかをチェックされるケースもあります。
単に絵や工作の巧拙だけでなく、子供らしい工夫ができているかといった点なども見られるという点に注意しなければなりません。
行動観察
近年、多くの学校で重視するようになっていると言われているのが行動観察です。
行動観察の問題のパターンは実に多種多様ですが、例えば、子供達を何人かのグループにして一緒にゲームをさせてその様子を観察するというのが典型的なものです。
ゲームをするうえで積極的に発言をする子や、他の子供に気遣いができる子などは評価されやすいですが、学校によって重視しているポイントは様々です。
そのため、一概にこういった子供であれば必ず合格するとは言えません。
科目ごとの対策方法
次に、それぞれの科目について、どのように対策をすればよいのかを見ていきましょう。
ペーパー
ペーパーの対策は、繰り返し問題を解くということに尽きます。
ただし、いきなり難しい問題にチャレンジしても歯が立ちませんし、子供のやる気も削がれてしまいかねません。
幼稚園児は月齢によって脳の発達段階が大きく違ってきますので、その時々に応じた問題に取り組みながら徐々にペースを上げていくことが重要となります。
この点、教室に通っていれば、子供の月齢に応じた問題に取り組むことができるので、無理なくレベルアップしていくことが可能です。
ただし、ペーパーについては、優れた問題集が市販されているので、そういったものを自分で買って自宅で対策するということも不可能ではないでしょう。
おすすめは、こぐま会から出ている「ひとりでとっくん」シリーズです。
全部で100冊もあるのですが、年少の冬頃からコツコツするのであれば、そこまで無理をしなくても年超までに十分すべてやり遂げることができるでしょう。
もっとも、最後の方の問題は本番さながらのかなり難しいものですので、自分で教える自信が無いようであれば教室に通わせた方がよいかもしれません。
運動
運動神経のよい子であれば、運動の対策はそこまで難しく考える必要はありません。
幼稚園や保育園でやっている程度の運動でも十分に合格圏内に達することができるでしょう。
ただし、そこまで運動神経が良くない子の場合や、難易度の高い問題が出る学校を志望する場合には、それなりに対策が必要となります。
教室に通えば対策してもらえますが、過去問を見ながら親子で取り組むというやり方でもなんとかなる可能性は高いでしょう。
絵画・工作
絵画や工作の実力を磨くには、普段からの地道な取り組みが大切です。
例えば、家に画用紙や工作用品を常置しておけば、子供は喜んでそれを使って遊ぶようになるでしょう。
進んで絵をかいたり工作を楽しむようになれば、後は受験で出題されるようないくつかのパターンを教えてあげれば対策は可能です。
もっとも、工作であればモールやフラワーペーパーといったような普通に生活していたのではあまり馴染みが無いようなものを使った問題が出ることもありますので、そういったアイテムを使えるようにしておく必要があります。
行動観察
ペーパーや運動、絵画・工作については、何となくどのように対策をすればよいかイメージできるかもしれませんが、もっとも準備が難しいのが行動観察です。
集団の中で自分の意志で行動できるということが必須となるため、まずは通っている幼稚園や保育園で自分の子供が友達と一緒に仲良く遊べているかを見てみましょう。
少し引っ込み思案なようだと、ある程度対策しないと本番ではしんどいかもしれません。
口で言って聞かせてどうにかなるようなものではないので、本格的に対策をしたいのであれば、教室に通わせるのが最も手っ取り早いでしょう。
それ以外だと、ボーイスカウトやガールスカウトなどで集団行動をする体験を積ませるというのも効果的です。
結論!教室に通う必要はない?
ここまで読まれた方はある程度イメージできるかもしれませんが、教室に通わずにお受験対策をすることは絶対にできないというわけではありません。
ただし、特に行動観察のように、大人数で何かするといった経験は、自宅で対策をするのは非常に困難です。
そのため、もしどうしても子供を希望する小学校に入れたいということであれば、いずれかの教室に通った方が合格の確率を上げることができるでしょう。
もっとも、全面的に教室に頼るとなると高額の支出を覚悟しなければなりません。
もしも予算に限りがあるということであれば、家で出来る科目については家で対策し、それ以外のものについて教室を利用するといったようにメリハリを利かせるのも一つの手です。
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