日本人におなじみのヒキガエルの特徴!ガマガエルとの違いとは?

カエル観察入門

ヒキガエルは私たち日本人にとって昔から目にすることが多いカエルの一種です。
日本にもともと生息している在来種のカエルの中では最大であり、見た目のインパクトも大きいのですが、その特徴については意外と知られていないのではないでしょうか。
そこで、ここではヒキガエルについて詳しく見ていくことにします。

ヒキガエルとは

ヒキガエルは、両生綱無尾目ヒキガエル科に分類されるカエルの総称であり、その仲間は日本だけでなく世界各地に分布しています。
全世界では180以上もの種類が存在しており、その中で日本に住んでいるのは二ホンヒキガエルとアズマヒキガエルの2種類が主です。
ただし、これらのほかに、大東島と宮古島にアジアヒキガエル、大東島と小笠原諸島にオオヒキガエルがいますので、合計すると4種類のヒキガエルが日本にいることになります。

ヒキガエルの特徴

続いて、ヒキガエルの特徴について見ていきましょう。

外見

ヒキガエルの特徴は、何といってもその独特の外見にあります。
茶色の厚い乾いた皮膚に覆われており、その上にはぶつぶつとした突起が存在しているため、一見すると怪獣のようにも見えます。
頭部はカエルの中でも大きめで、目の後ろに一対の楕円形の耳腺があるのもヒキガエルの特徴です。

ヒキガエルは、カエルの中でもかなり強い毒を持っています。
その毒は、危険を感じると、耳腺や身体の表面にある分泌腺から排出されます。
白い粘膜状の液体ですので、見ればすぐに分かるでしょう。
毒の成分はブフォトキシンという物質で、これは動物が口の中に入れたりすると激しい炎症を引き起こします。
また、心筋や神経中枢に作用することもあるため、ヒキガエルを触ったら、必ず手を洗うようにしなければなりません。

生息地

多くのカエルが水辺で暮らすのに対し、ヒキガエルは山沿いや山間部などに生息しています。
2,000メートル級の山の中腹で発見されたこともあるので、生息範囲はかなり広範であると考えてよいでしょう。
意外と都市部にも生息しており、雨の日の夜に歩いていると道端でヒキガエルに出くわすこともあります。
基本的にほとんどの時間は地上で生活していますが、産卵は水の中でするため、その時期になると山間部の池などに大量のヒキガエルが集まってきます。
卵は一対のひも状の卵塊の中にまとめて産まれ、しばらくするとそこから大量のオタマジャクシが誕生するのです。

跳躍力

カエルと言えば驚異的なジャンプ力が特徴ですが、ヒキガエルの場合にはほとんどジャンプをすることはありません。
他のカエルのように高いところに上ったりせずに、地上をノソノソと歩きまわるのが彼らの移動スタイルなのです。
ただし、オタマジャクシからカエルになりたての頃は、あちこち飛び回ったりするので、決して跳躍力がないわけではなさそうです。

サイズ

前述の通り、ヒキガエルは日本の在来種の中で最大のカエルです。
その体長は大人になると20センチ近くになり、その独特の外見と相まって、見た目のインパクトも特大です。
もっとも、カエルになりたての頃は驚くほど小さい身体をしています。
わずか1センチほどなので、一見するとそれがヒキガエルとは気づかないかもしれません。

ガマガエルとの違い

時代劇が好きな方なら、劇中でガマガエルという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
忍者のお供としても知られるこのガマガエルというのは、ヒキガエルのことなのです。
そのため、両者は同じカエルであり、ガマガエルという固有の種類がいるわけではないという点に注意しなければなりません。

ヒキガエルの天敵

成長するとかなりの大きさになるため、ヒキガエルの天敵はいなさそうにも思われるかもしれません。
しかし、ヒキガエルにも天敵は存在するのです。
彼らが最も恐れるのは毒ヘビとして知られるヤマカガシです。
普通の生き物はヒキガエルが出す毒を恐れて近づかないのですが、ヤマカガシはむしろヒキガエルを食べて、その毒を自分のものにします。
最大の武器が使えないため、ヤマカガシに出会ったらヒキガエルは逃げるしかありません。

まとめ

ここまで読むと、ヒキガエルへの関心がますます高まってきているのではないでしょうか。
このブログでは、ヒキガエルについて知っておきたいことをこれからもどんどん発信していきますので、楽しみにしていてくださいね。

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