ガマガエル(ヒキガエル)に乗って戦う忍者!ジライヤ(児雷也・自来也)とは何者か?

カエル観察入門

幼い頃にガマガエルに乗って戦う忍者を見たことがあるという方は多いのではないでしょうか。
忍者が従える動物と言えばカエルというイメージが定着していますが、実はその背景にはある架空のキャラクターの存在があるのです。
ここでは、そのキャラクター「ジライヤ」の謎について迫ってみることにします。

自来也と児雷也

ジライヤは、漢字で「自来也」または「児雷也」と記載されますが、それぞれ異なる由来があります。

自来也の由来

まず、自来也というのは、は、江戸時代の後半に刊行された書物で描かれている架空の忍者です。
この自来也が登場するのは、感和亭鬼武という人物が、1806年に記した「自来也説話」という書物においてであり、その中で、自来也は義賊として描かれており、従えているガマガエルの妖術を用いて様々な活躍を繰り広げています。
なお、自来也の由来は、宋時代の中国で作られた「我来也」であると言われていますが、その真相は定かではありません。

児雷也の由来

一方の児雷也は、前述した「自来也説話」に基づいて1839年に記された「児雷也豪傑譚」に登場する、これまた架空の忍者です。
ガマガエルの妖術を使って戦うという設定は自来也と同じですが、児雷也の方は、ナメクジの妖術を使う妻の綱手や大蛇から生まれた敵役である大蛇丸など、各キャラクターの個性がより際立っています。
この設定は当時の大衆に非常に好評を博し、その後、30年にわたって「児雷也豪傑譚」は連載が続くことになります。
今でいうところの大ベストセラーですね。

このような人気を背景に、こちらの児雷也は「児雷也豪傑譚話」として歌舞伎の脚本にも取り上げられ、その後もガマガエルの使い手である忍者は様々な物語に登場することになっていくのです。
そのため、ガマガエル=忍者というイメージの由来は、児雷也の存在にあると言っても過言ではないでしょう。

ガマガエルとヒキガエル

ガマガエルとヒキガエルの関係については、以前の記事で詳しく紹介しているので、ぜひそちらもご覧になってください。

日本人におなじみのヒキガエルの特徴!ガマガエルとの違いとは?
ヒキガエルは私たち日本人にとって昔から目にすることが多いカエルの一種です。在来種のカエルの中では最大であり、見た目のインパクトも大きいのですが、その特徴については意外と知られていないのではないでしょうか。ここではヒキガエルについて詳しく見ていくことにします。

結論だけ言うと、両者は同じカエルを指して使われる言葉であり、ガマガエルとヒキガエルは同義であると考えて構いません。

映画化された児雷也

もともとは書物の中で描かれていた児雷也は、時代とともに様々な媒体で取り上げられることとなります。
大正時代の1921年には、ついに映画の主人公にもなっているのですが、その映画「豪傑児雷也」は日本で最初の特撮映画として位置づけられています。

世界忍者戦ジライヤ

世界忍者戦ジライヤというのは、1988年1月から1989年1月にかけてテレビで放送された特撮ヒーロードラマで、宇宙刑事ギャバンや宇宙刑事シャリバンなどで知られるメタルヒーローシリーズの第7作に当たります。
このドラマのストーリーは、主人公である山地闘破(戸隠流忍者の宗家である山地哲山の養子という設定)がジライヤスーツをまとって、悪の忍者一族や世界中からやってきた忍者と死闘を繰り広げるというものです。
主人公を演じた俳優の筒井巧さんが、放送から30年以上たって戸隠流第35代宗家を継承したことでも話題となりました。

まとめ

忍者とヒキガエルが密接に結びつくことになったきっかけは、江戸時代に描かれたジライヤにあるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
現在でもジライヤをモチーフにしたアニメやゲームは数多く作られていますので、今や忍者とカエルは切っても切れない関係になっていると言ってよいでしょう。

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