ここではロースクールへの留学に必要な書類やその準備の仕方について、自分の経験を踏まえてまとめています。
それなりに時間と手間がかかるので、必要事項をしっかり理解して、計画的に準備を進めることが大切になります。
ロースクール出願に必要なもの
ロースクールに留学するためには、志望校に出願して合格しなければなりません。といっても、日本の大学のように試験がある訳ではなく指定された出願書類を提出して合否が判断されます。
必要な書類はロースクールごとに少しずつ異なるものの、概ね以下の通りです。
Resume
日本語でいうと履歴書です。CVともいいます。一般に使われるフォーマットはだいたい決まったものがあるので、自分の経歴についてネタ出しして整理していくことになります。
留学予備校にはカウンセラーがいるので、余裕があればそちらにお願いすれば体裁よくまとめてくれます。
Personal StatementまたはStatement of Purpose
指定された課題について書くことになるエッセイです。たいていは、ロースクールで学ぶことが自分のキャリアや将来の目標にどのような意味を有するのか、どのような点でロースクールに貢献することができるのかを問う内容です。単に長々と書けばよいわけではなく、いかにして簡潔かつ内容濃く論じるかが重要のようです。
GPA(Grade Point Average)
大学時代の成績です。日本の大学はだいたい優良可やABCといった三段階になっているところが多いので、優=4点、良=3点、可=2点に単位数をかけて加重平均して計算することができます。最高は4.0です。
TOEFLスコア
英語が苦手な日本人の場合は、一番時間をかけて準備する必要があります。
TOEFLについては別にまとめているので、そちらをご覧ください。
Recommendation Letter
推薦状です。ほとんどは2通要求されますが、UCバークレーやフォーダムなどロースクールによっては3通必要なところもあります。3通は大変なので、それだけで敬遠する人もいます
以下では書類ごとにより詳しく作成・準備方法を書いていきます。
レジュメ
レジュメはその意味するところの通り「履歴書」「経歴書」で、内容は日本語のものとそれほど変わりません。ただし、ある程度定番となっているフォームがあるのでそれに倣って書くのがベターです。
なるべくA4で1枚くらいにまとめた方がよいらしく各経歴を数文字程度で表現する必要があるのですが、ネイティブ特有の言い回しなどもあるので、ネイティブの知り合いや留学準備校のカウンセラーなどを使えるのであれば、添削をお願いすると万全です。
書くべきことは職歴、学歴、その他付随事項です。
履歴書といっても自己アピールの手段なので、自分の強みがどこにあるのかを事前にしっかり洗い出して、それが伝わるように構成することが大切です。
Personal Statement
Personal StatementはPSと略されることも多いです。書くべき課題はロースクールごとに違いますが、課題が何であれ自分をアピールすることが求められます。
ちなみに、ロースクールで学ぶ目的についての記述が求められるものはStatement of Purposeと言うこともあります。
こちらもいきなり書き始めるのではなく、まずはネタ出しをしたうえで構成を考えることが大切です。ネタだしのテーマはだいたい以下のような感じです。
(1)大学時代の活動・研究
(2)仕事において成し遂げたこと
(3)短期の目標
(4)長期の目標
(5)ロースクールで何を学びたいか・志望目的・自分のキャリアとの関係
(6)ロースクールに貢献できること
(7)自己の強み・弱み
文字数が指定されている場合は当然それに従う必要がありますが、ない場合はダブルスペースでレターサイズ3枚程度がよいそうです。短すぎるのはよくありませんが、長すぎるのもあまり好まれないようです。また、フォントはTimesNewRomanが基本です。
これについても可能ならネイティブに添削してもらいましょう。
推薦状
推薦状は誰からもらうのがよいかが思案のしどころです。
会社や事務所勤めの場合は、一通は上司でいいのですが、たいていは2通の推薦状が必要で、しかも1通は大学の教授と指定されていることが多いので、もう1通を誰にするかが問題です。
候補となるのは、卒論を書いた場合はその指導教官、ない場合はゼミの教授などが候補です。
頼めるのであれば推薦者自身に文面を書いてもらうのが本来の趣旨に適うのでよいのですが、多くの場合は自分でドラフトしたものに手を加えてもらうという流れになります。卒業後何年も経っているとさすがに教授もどういった学生だったかの記憶があいまいになっているはずですし、みなさん忙しいので一から書くようお願いするのも気が引けますからね。
候補となるのは、卒論を書いた場合はその指導教官、ない場合はゼミの教授などが候補です。
頼めるのであれば推薦者自身に文面を書いてもらうのが本来の趣旨に適うのでよいのですが、多くの場合は自分でドラフトしたものに手を加えてもらうという流れになります。卒業後何年も経っているとさすがに教授もどういった学生だったかの記憶があいまいになっているはずですし、みなさん忙しいので一から書くようお願いするのも気が引けますからね。
スケジュールとしては、9月上旬に依頼し10月上旬にドラフト送付、修正してもらって11月くらいサインしてもらえると安心です。
会社の上司からもらう場合も基本は同じです。
上司や教授に依頼できない場合は、仕事で使っている弁護士や修習所時代の教官に依頼することあるようです。それでもみなさん合格しているので、推薦者が誰かよりも推薦状の内容の方が重要なのだと思います。
LSAC
Law School Admission Councilのことで、ロースクールへの出願をサポートするサービスを提供している機関です。
このLSACのCredential Serviceというサービスを使うことを推奨しているロースクールが多いので、利用した方が無難です。
サービス内容は、大学の成績ととTOEFLスコアを管理し、出願先にまとめて送信してくれるというものです。
注意点としては、LSACは大学の成績を基にして独自基準で評価を作成するのですが、基準がはっきりしないため思ったより悪い評価が付く場合があります。また、TOEFLスコアは登録したものが出願先に送られるので、目標の点数を取れるまではLSACにスコア登録することは見合わせましょう。
成績表を送ってからLSACの評価が完了するまで時間がかかるので、使うのであれば早めに登録する必要があります。ありがとうございます。
出願方法
たいていのロースクールでオンライン出願と書面での出願が可能ですが、おススメはもちろんオンライン出願です。
書面だと送料がかかるし、配送中の紛失リスクや、時間もかかるのであまり推奨されていません。
オンライン出願でも、書類の一部は紙で提出しなければなりません(大学の成績表や推薦状など)。
出願時にはApplication Sheetといわれるフォーマットに記入して必要書類と一緒に提出しなければなりません。オンラインの場合はWeb上で入力することになりますが、記入する項目は氏名、生年月日、連絡先から、大学での研究、これまでの出版物、表彰等などです。ちなみに、該当がない場合はN/Aなどと記入します。
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